円山動物園 勝手に応援ブログ

円山動物園の魅力を勝手に解説

は虫類・両生類をささえるいのち

皆さんは何を期待して動物園に行きますか?

 

やはり、動物たちの躍動感あふれる野生の姿や、愛くるしい姿などを楽しみにされる方が多いと思います。

 

動物園には、そのような娯楽施設としての機能の他にも、様々な機能があります。

その中の一つが、社会教育施設としての機能です。

 

動物園は、生き物というフィルターを通じて、生き物の体の仕組みや生態、生物多様性や環境について等々、学校とは違う形で人々に学びを与えることが期待されており、その役割を果たすために多数のサイン(看板・標識)や掲示物が用意されています。

 

円山動物園掲示物はとても工夫されていて、どれも読むことで学びを得られるのですが、その中でも私が一番気に入っているのが、爬虫類・両生類館の休憩コーナーに置かれているこちらの絵本(?)です。

 

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円山動物園では、2011年には虫類・両生類館をオープンし、約70種450点のは虫類・両生類を展示しています。

また同施設は、ミズオオトカゲ、ヨウスコウワニ、スペングラーヤマガメ、ムオヒラセガメ、モエギハコガメ、アオホソオオトカゲ、アメリカドクトカゲなどなど、世界的に見ても難しい繁殖例を多数持っており、その実績だけをとっても円山動物園を代表する施設であるといって過言ではありません。

 

この規模では虫類・両生類を飼育しようとすると、問題になってくるのが、彼らの食糧です。

当然それぞれに餌を工夫する必要があり、小型の哺乳類を捕食するような種類であれば比較的手に入りやすいマウスなどをあたえるのですが、問題はさらに小型の肉食種、つまり昆虫を主に食べる種類です。

 

実はセンターラボの中をじっくり覗くと分かりますが、円山動物園のは虫類・両生類館には二階と地下があります。

そのうち、地下室では、は虫類・両生類館の生き物に与えるための餌を、自前で育てているのです。ここで育てているのは、マウスと少し大型のゴキブリ(飛ばないやつ)、そしてコオロギです。

ここで育てられているコオロギは、熱帯地域に生息するフタホシコオロギという種類です。比較的容易に繁殖させることができる一方、ジャンプ力も低く脱走はほとんどしないため、ペットショップでも餌として売られています。

円山動物園のは虫類・両生類館では約一億匹のフタホシコオロギが育てられています。彼らは生き物たちのいのちを支える、縁の下の力持ちなのです。

 

そんなフタホシコオロギについてフィーチャーしたのが、円山動物園が擁する、動物園愛に溢れるボランティアの方が作ったこちらの傑作なのです。

 

 

 そして、その中身が、これだ!!!

〈この先は虫が苦手な人は閲覧に注意してください。〉

 

 

 

↓繁殖室の様子です。

繁殖の方法等が詳細に記されています。 

 

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↓繁殖ケージの中の様子。

 

もうやばい。うーわー

これ家族連れの休憩スペースに置いて大丈夫?

 

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↓この点々ぜーんぶコオロギ。

うーわーあーやばいやばいやばいやばい

 

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あんなに可愛いは虫類ですら「気持ち悪い」と言ってスルーする人たちがいるのに、こんな掲示物、一体誰が読むんでしょうか。

 

俺だよ!

 

褒めてるんだかひいてるんだか分からない内容になってしまいましたが、読み物としては大っ変勉強になります。

 

命を支えるには、その糧となる別の命が必要になるし、円山ではそれを他所から買ってくるのではなく、自分たちの手で育てて賄っているのです。

 

ちなみに私はこの目で現物を見たことがあります。ヤバいです。

狭いケースの中で大量に育てられているネズミやゴキブリも見ました。

 

「動物園」というものそのものの見方に影響を与えること間違いなしです。

 

円山動物園にお立ち寄りの際は、ぜひフタホシコオロギの読み物にご注目ください。